人を飯に誘うのが苦手だ。
「カレーライスがな、好きやねん、俺。
ほんでな、気になるカレー屋さんがな、あんねやわ。」
みたいな切り口。
これ、実にまっすぐなつもりなんやけども。
まったくもって素直なつもりなんやけども。
めんどくさいか。すまん。
ただ、めんどくさい性格のやつほど、いつも言いたいことはシンプルなものやと思うのだ。
えー、CDの、ご紹介です。
水、走るの新しいCDが出ます。
コメントをたのむぜ、とのことで、一足先に聴かせてもらい、一足先にぐっときております。
気の強そうな胃の弱そうな言葉で語られる、ちょいとまわりくどい話の数々。
外からは整って見えても、その実、すぐに考えすぎる頭につまずきながら、バタバタと走っているような、
まっすぐに進んでいるつもりが、気付けばいつも長い長いまわり道になってるような、
その上、結局いつも本当に行きたかった場所の直前で行き止まってしまうような。
しかし見よ。
最後の最後に、さんざん続いてきたまわり道のその軌跡を。
こいつを俯瞰してみれば、
なんこれ、なんてこった、
そこには、
とてもシンプルなことが、
とても素直に、
とても丁寧に描かれた、
大きな一枚の絵があるではないか!
ああ、ちくしょう、めんどくさい野郎だぜ! もう、好きだ! ビューティフル!
そんなイメージで聴いています。何度も。
気付けばいつもまわり道ばっかりって、
なんだよ、俺のことじゃないか、私のことじゃないか、って人、いましたらば、
水、走るを聴いてください。
ぐっとくること、これ、うけあいですから。
そしてそのまま勢いあまって、
たとえば近頃疎遠になりがちな友人を、たとえば気になる娘さんを、
ひとつ飯にでも誘いたくなり、
とりあえず近場に「気になるカレー屋さん」を探すところからはじめることになる、
ってのは俺だけなのかしら。
まわり道の多いコメントですまぬ。リリースおめでとう。LOVE。